ryo-u_hのブログ

高齢者運動指導者/川崎市在住/あらゆる健康の記事を載せていきます

【健康寿命とは?】健康寿命を延ばす要因

健康寿命とは?】

健康寿命」この言葉一度は耳にしたことがある方が多いと思います。
今回は、健康寿命について少し掘り下げた内容を記していこうと思います。


健康寿命

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簡潔に説明をすると
心身ともに自立した活動的な状態で生存できる期間です。
いわば、自立した生活ができる期間です。
反対に障害や要介護が必要な期間を「不健康寿命」といいます。
この「健康寿命」と「不健康寿命」の2つで「平均寿命」といいます。

何歳になっても、自分の力で様々なことをやりたい。
介護を受けなくても自立した生活を送るためには何をやれば良いのでしょうか?


健康寿命の要因】

健康寿命を延ばすには、普段の生活の送り方が何よりも大事になります。
以下は健康寿命の促進要因と阻害要因をまとめたものです。
身近にいるシニアの方に当てはめてみて下さい。

●促進要因
・飲酒(適量)
・仕事、社会活動を活発に行っている
・自己評価が健康である
・筋力が強い
・バランス能力が高い
・歩行速度が速い
アルブミンが高い
コレステロールが高い

●阻害要因
・喫煙
・睡眠時間が長い
抑うつ傾向がある
・視力の低下
・咀しゃく力の低下
・通院が過去1か月ある
・入院が過去1年ある
・慢性疾患を患っている

私自身、驚いた内容として
促進要因の中に、自己評価で健康であることが大きく関係しているという点です。
気の持ちようは、とても大切であることがわかりますね。


健康寿命の3大要因】

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健康寿命に関与する最も重要な要因が3つあります。
1.体力
2.社会
3.栄養
です。

以前の記事に【フレイルについて】があります。
そこでも記したように社会活動は心身的にも健康にいるために大切な事です。
単発的に運動をしている人と比べて、社会活動の中で少しずつ身体を動かしている人の方が
消費エネルギーが高い場合もあります。
直接的に体力にも関わっているので、積極的に社会活動に参加することは
健康寿命を延ばす事につながります。


【最後に...】

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若い人であれば、ダイエットや減量を目的として食事制限でコレステロール値を下げる事や、禁酒は1つの手段ですが、シニアの健康寿命を延ばす事を目的とした場合、逆の処方が適切になります。
もちろん、先に挙げた促進要因の行動が行き過ぎたりすると、不健康要因につながる可能性もあるので注意が必要です。
人それぞれ送られてきた生活が違うので、あくまで1指標として参考になればと思います。

【フレイルとは?】心身の虚弱状態について

【フレイルとは?】

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皆さんは『フレイル』という言葉ご存じでしょうか?
この言葉は、2014年に日本老年医学会が提唱しました。
簡潔に説明すると、「健常な状態と要介護状態の中間状態」のことを指します。
もっとわかりやすく説明をすると、心と身体が虚弱な状態であることを言います。

最近出来た言葉で耳にした事がない方も多いと思うので、今回は『フレイル』について記していきます。


【フレイルになる原因は?】
フレイルとは、単に筋力が衰えているだけの状態を指すのではありません。
もちろん要因の1つではありますが、大きく影響する要因としては2つあります。

●疾病にかかる
●老化による身体の機能(栄養、体力、社会的)低下

などです。

この2つの要因によって心身機能の低下(身体的・認知的能力の低下)が起こりやすいとされています。
すなわち、高齢者においてフレイルは発症しやすいということです。
では、フレイルに1度陥ってしまったら要介護状態になるのを待つだけなのでしょうか?


【フレイルへの対策と予防】

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フレイルになる危険性2つの内1つは低栄養状態が挙げられます。

●低栄養状態
現在、ダイエットを目的として、食事管理や運動に取り組む方が多くいらっしゃいます。
ダイエットに欠かせないのが「食事管理」ですが、高齢者において食事制限はあまりオススメ出来ません。
なぜなら、低栄養状態に陥る可能性がある為です。
もちろん十人十色の世の中、全ての高齢者にオススメしないわけではありません。
必要性が無いにも関わらず、痩せたいという強い気持ちが、低栄養状態引き起こしかねないのです。

現に、栄養状態の高低が健康寿命に大きく関わる事が研究によって明らかにされています。
元々、少食の方も少し注意が必要なのかもしれません。


●筋力、活動低下
歳を重ねるにつれて、筋力は段々と衰えていきます。
筋力・筋量が衰えていく状態を「サルコペニア」といいます。
先に述べた、低栄養状態が原因で、サルコペニアになる可能性もあるので、負のスパイラルに陥らないよう注意が必要です。
社会活動の参加や、散歩等の生活習慣を行うだけで身体の変化が起こると思います。


【最後に…】

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フレイルに陥ってしまい、運動不足や栄養状態の悪化が続いてしまうと、要介護状態になる可能性が非常に高いです。
大切なのは、フレイルにならないように、健常な時から適度な運動習慣化や、バランスの取れた食事を摂る事が重要になります。
社会活動の参加によって心理的健康の維持も期待できるので、積極的に様々なことに取り組む事をお勧めします。

【老人性うつとは?】対策と予防

【老人性うつとは?】

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今や現代人の身近な疾患となっている「うつ病
みなさんも一度は聞いたことがあると思います。
昨今、日本の社会では長時間労働やハラスメント等が問題視されており
現代人がうつ病統合失調症に陥ってしまう背景には、このような問題があるとされています。

上記の原因はごく一部であり「うつ病」は年齢に関係なく発症する可能性があることが知られています。


もちろん高齢者にも「うつ病」の危険性がありますが
高齢化社会の日本では高齢者特有の「老人性うつ」という言葉が存在します。

今回は、高齢者特有の疾患「老人性うつ」について記していきます。


うつ病と老人性うつの違いとその要因】
病名ではありませんが、65歳以上の高齢者が発症するうつ病のことを指します。
若い人がかかるうつ病の原因(仕事上の環境やストレス)とは少し違い、
老人性うつは、自身を取り巻く「環境的要因」と「心理的要因」が大きく影響されています。

・環境的要因
1.定年退職
2.子供の独立や自身の孤独感
3.親族、友人との会話が少なくなる
4.無趣味、出不精 など

心理的要因
1.病気にかかった
2.周囲の人からの悪口を言われる
3.身近な人やペットとの死別
4.今まで出来ていたことが出来なくなる など

上記要因が重なることで発症するケースが多いようです。


【老人性うつの症状】
若い人がかかるうつ病の代表的な症状として、抑うつ気分のような精神症状が挙げられますが
老人性うつの特有症状としては、身体的不調が挙げられます。

具体的には、
・頭痛や吐き気、めまい
・しびれの訴えや腰痛、肩こり
・落ち着きがなく、不安や身体の不調の訴え
・不眠や妄想
など

高齢になるにつれ認知症とよく間違われるケースが多いようですが
老人性うつは治療をすれば治る疾患です。
重症化しないためにも、周りの人たちがいち早く気づき、病院で適切な治療を受ける必要があります。

では、「老人性うつ」と「認知症」の違いは何でしょうか?


【老人性うつと認知症の違い】

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見分け方は大きく7つに分けられます。
1.初期症状
老人性うつ:身体的不調、抑うつ
認知症  :性格の変化、記憶障害

2.症状の進行
老人性うつ:短期間で激変、何らかのきっかけで発症
認知症  :ゆっくりと進行することが多い

3.気分の落ち込み
老人性うつ:多い
認知症  :少ない

4.もの忘れ
老人性うつ:短期記憶に支障が出る、自覚がある
認知症  :短期記憶に支障が出る、自覚が少なく、取り繕う事が多い

5.攻撃性
老人性うつ:なし
認知症  :出現することがある

6.妄想
老人性うつ:心気妄想、罪業妄想、貧困妄想
認知症  :もの盗られ妄想など

7.日内変動
老人性うつ:朝方調子が悪く、夕方になるにつれ良くなる
認知症  :比較的少ない
                  ※老人ホーム探しはいいケアネット参照

症状の違いはあれど、認知症と合併し発症している方もいらっしゃいます。
なので、個人が判断するのではなく、怪しい症状が見られたら医者に相談することが何よりも大切です。

今は他人事と感じる方も多いと思いますが、明日は我が身。
身近な人が発症または自分自身が気づかぬ内に発症するかもしれません。


そこで、「老人性うつ」にならないための予防法を述べていきます。


【老人性うつにならないための予防法】
前述したとおり、老人性うつの大きな要因としては「環境要因」「心理的要因」が
大きく影響しています。
まずは、孤独感を解消すること。

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そして、社会的関わりをもち、心身状態を健康に保つことが大切です。

例えば...
・定期的な運動習慣
・ストレス発散
・社会とのつながりをもつ
などが挙げられます。

・定期的な運動習慣

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運動を行うことにより「セロトニン」という物質が体内で分泌されます。
セロトニンは精神を安定させる働きがある神経伝達物質との関わりが大きく
運動の他、太陽光を浴びることによっても分泌されます。

・ストレス発散
ストレスを溜め込むことによって、心身の不安や不調が出てきます。
人それぞれストレスの発散法は違います。
体を動かす、旅行に行くなど。
1人で悩まず、人と話したり、相談することで「孤独感の解消」にもつながります。

・社会とのつながりを持つ
最近はサロンやサークル活動が各地で行われています。
そのような場所に1度でも参加することで人とのつながりが出来ます。
また、新たな趣味の発見や生きがいが生まれる可能性もあるので良い方法でしょう。


【最後に...】
老人性うつは認知症と見分けが非常に難しい症状であり
身近な知り合いや親族が発症する可能性がある疾患です。

前述の通り、年齢に関係なく「うつ病」は発症します。
身近な高齢者が発症し、自分自身もうつ病を発症しないように適切な対処と予防を知っておくことが重要になります。