ryo-u_hのブログ

高齢者運動指導者/川崎市在住/あらゆる健康の記事を載せていきます

【老人性うつとは?】対策と予防

【老人性うつとは?】

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今や現代人の身近な疾患となっている「うつ病
みなさんも一度は聞いたことがあると思います。
昨今、日本の社会では長時間労働やハラスメント等が問題視されており
現代人がうつ病統合失調症に陥ってしまう背景には、このような問題があるとされています。

上記の原因はごく一部であり「うつ病」は年齢に関係なく発症する可能性があることが知られています。


もちろん高齢者にも「うつ病」の危険性がありますが
高齢化社会の日本では高齢者特有の「老人性うつ」という言葉が存在します。

今回は、高齢者特有の疾患「老人性うつ」について記していきます。


うつ病と老人性うつの違いとその要因】
病名ではありませんが、65歳以上の高齢者が発症するうつ病のことを指します。
若い人がかかるうつ病の原因(仕事上の環境やストレス)とは少し違い、
老人性うつは、自身を取り巻く「環境的要因」と「心理的要因」が大きく影響されています。

・環境的要因
1.定年退職
2.子供の独立や自身の孤独感
3.親族、友人との会話が少なくなる
4.無趣味、出不精 など

心理的要因
1.病気にかかった
2.周囲の人からの悪口を言われる
3.身近な人やペットとの死別
4.今まで出来ていたことが出来なくなる など

上記要因が重なることで発症するケースが多いようです。


【老人性うつの症状】
若い人がかかるうつ病の代表的な症状として、抑うつ気分のような精神症状が挙げられますが
老人性うつの特有症状としては、身体的不調が挙げられます。

具体的には、
・頭痛や吐き気、めまい
・しびれの訴えや腰痛、肩こり
・落ち着きがなく、不安や身体の不調の訴え
・不眠や妄想
など

高齢になるにつれ認知症とよく間違われるケースが多いようですが
老人性うつは治療をすれば治る疾患です。
重症化しないためにも、周りの人たちがいち早く気づき、病院で適切な治療を受ける必要があります。

では、「老人性うつ」と「認知症」の違いは何でしょうか?


【老人性うつと認知症の違い】

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見分け方は大きく7つに分けられます。
1.初期症状
老人性うつ:身体的不調、抑うつ
認知症  :性格の変化、記憶障害

2.症状の進行
老人性うつ:短期間で激変、何らかのきっかけで発症
認知症  :ゆっくりと進行することが多い

3.気分の落ち込み
老人性うつ:多い
認知症  :少ない

4.もの忘れ
老人性うつ:短期記憶に支障が出る、自覚がある
認知症  :短期記憶に支障が出る、自覚が少なく、取り繕う事が多い

5.攻撃性
老人性うつ:なし
認知症  :出現することがある

6.妄想
老人性うつ:心気妄想、罪業妄想、貧困妄想
認知症  :もの盗られ妄想など

7.日内変動
老人性うつ:朝方調子が悪く、夕方になるにつれ良くなる
認知症  :比較的少ない
                  ※老人ホーム探しはいいケアネット参照

症状の違いはあれど、認知症と合併し発症している方もいらっしゃいます。
なので、個人が判断するのではなく、怪しい症状が見られたら医者に相談することが何よりも大切です。

今は他人事と感じる方も多いと思いますが、明日は我が身。
身近な人が発症または自分自身が気づかぬ内に発症するかもしれません。


そこで、「老人性うつ」にならないための予防法を述べていきます。


【老人性うつにならないための予防法】
前述したとおり、老人性うつの大きな要因としては「環境要因」「心理的要因」が
大きく影響しています。
まずは、孤独感を解消すること。

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そして、社会的関わりをもち、心身状態を健康に保つことが大切です。

例えば...
・定期的な運動習慣
・ストレス発散
・社会とのつながりをもつ
などが挙げられます。

・定期的な運動習慣

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運動を行うことにより「セロトニン」という物質が体内で分泌されます。
セロトニンは精神を安定させる働きがある神経伝達物質との関わりが大きく
運動の他、太陽光を浴びることによっても分泌されます。

・ストレス発散
ストレスを溜め込むことによって、心身の不安や不調が出てきます。
人それぞれストレスの発散法は違います。
体を動かす、旅行に行くなど。
1人で悩まず、人と話したり、相談することで「孤独感の解消」にもつながります。

・社会とのつながりを持つ
最近はサロンやサークル活動が各地で行われています。
そのような場所に1度でも参加することで人とのつながりが出来ます。
また、新たな趣味の発見や生きがいが生まれる可能性もあるので良い方法でしょう。


【最後に...】
老人性うつは認知症と見分けが非常に難しい症状であり
身近な知り合いや親族が発症する可能性がある疾患です。

前述の通り、年齢に関係なく「うつ病」は発症します。
身近な高齢者が発症し、自分自身もうつ病を発症しないように適切な対処と予防を知っておくことが重要になります。